日本と海外の薬剤師事情の違い

日本と海外の薬剤師事情の違い

<日本と海外での薬剤師の社会的地位の違い>
まず初めに日本と欧米諸国など医療先進国では薬剤師の社会的地位が大きく異なります。
欧米諸国では薬剤師の社会的地位は非常に高く、それに比べると日本では薬剤師の社会的地位は低いというのが現状です。例えばアメリカでは薬剤師の平均年収が1000万円を超えることからも社会的地位がとても高いことがわかります。
では具体的には何が異なるのかというと大きく分けて以下の2点があげられます。

①薬剤師の権限が少ない
薬剤師は薬物療法のプロです。しかし、患者さんの薬物治療に関する決定権には欧米と日本では大きな違いがあります。
その主たる制度が「リフィル処方箋制度」の有無です。リフィル処方箋制度とは多くの場合、病状が安定した患者において医師が期限を決めて処方箋を書き、期限内であれば薬剤師のモニタリングの元に、その都度繰り返し調剤が行われる制度です。
薬剤師は自身の判断で継続して調剤を行うのか再受診を必要とするのかの判断をする必要があるので、より責任の大きい業務と言えるでしょう。

②医療費(社会保険)や文化の違い
日本では医療費がとても安く、それに比べて欧米は医療費が高いです(アメリカでは自己破産の原因トップ3内に医療費が含まれます)欧米では医療費が高いため、軽い病状では安易に病院に行くことはせず、その際に薬局の薬剤師に相談をして病状に合った薬を提案してもらう機会がとても多く、日頃より気軽に相談できる(信頼できる)職業というイメージを持たれています。
日本では医療費が安いため、欧米に比べて病院で診察を受けられる方が多いです。要は同じ症状が発症した場合、欧米では薬剤師に相談するところが日本では医師に相談をするケースが多いということです。よって日本では欧米ほど日頃より薬剤師に相談をする文化が定着していないとも言えます。

また、歴史的な背景をみても、医薬分業に800年近くの歴史のある欧米と比べて、日本は医薬分業推進が本格的に始まった1970年代から数えるとまだ50年程度と浸透し始めたばかりということもあります。日本ではまだまだ薬剤師に対して、病気のことや薬のことについて信頼して相談できると認識されるまでには至っておらず、欧米と比べ国民の認識に大きな違いがあります。

【日本の薬剤師の今後】
薬学部で6年制課程の設置がスタートし、薬学部が多く新設された2006年より10年以上が経過し、6年制課程を修めた専門性の高い薬剤師の数は着実に増えてきております。また、様々なことがIT化されていく現代においては、調剤業務がすべてIT化されるような時代が来るかもしれません。そのような時代になると就職に際しての競争も激しくなり、今後はより専門性の高い知識、スキルを身に着けた薬剤師が社会に求められる状況になってくるのではないでしょうか。
これからは「認定薬剤師の資格を持っている方」「多くの患者様からかかりつけ薬剤師として求められる方」「在宅に特化した専門性のある薬剤師」「病院での医師や看護師と連携したチーム医療のスペシャリスト」など長く活躍するために求められる知識、スキルも高くなっていくのではないかと予想されます。
未来がどのようになるのかはわかりませんが、仮に上記のように今まで以上に薬剤師に求められるものが高くなることは、そのまま薬剤師の社会的地位の向上にもつながることになるのではないでしょうか。

まとめ

現在の日本では欧米と比較すると薬剤師の諸権限が無い場合が多く、先進国の薬剤師制度からは遅れており薬剤師後進国と言えます。
今後、欧米のようにリフィル処方箋制度が導入されるかどうかはわかりません。ですが少なくともこれからは競争が激しくなり、より高度なスキルや経験を求められる状況になっていくでしょう。

今後も長くご活躍できる薬剤師になるためにも、今後のキャリアプランをしっかりと考えたうえで就業先をお選びになることが大事になるでしょう。
また薬剤師の方一人一人がより高度なスキルを身に着けていくことが、これからの日本での薬剤師の社会的地位の向上にもつながっていくのではないでしょうか。

もし今後のキャリアを考えるうえで「転職を検討されている」「不安なことがある」などございましたら是非一度、お気軽にご相談をくださいませ。

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